勝って納得、敗れて納得。やっぱり、競馬は面白い。
by 桂小五郎
スタート後、スッと後方のインに潜り込み、
ジッと内ラチ沿いを追走。
4角回って直線、開いた馬場の真ん中に
突っ込み、渾身の追い出し。
道悪の中、一完歩ずつグイグイと伸びて、
前との差を徐々に縮めていく。
勝ち馬と同じ上がりタイムを記録し、
勝ち馬から0.7秒差の5着でゴール。
7歳牝馬ロータスランド、
会心のラストレースを見せてくれた。
外国馬ビクターザウィナーが引っ張る流れは、
馬場も相まって、落ち着いたペース。
この馬自身が3着に残ったように、
前に行った馬有利の展開。
そんな中、最後方ではなく、いつもより前に
つけたのも◎、追い込んだ最後の脚も◎。
何とか、GⅠを獲らせてあげたかったが、
彼女の輝かしい実績は色褪せない。
これからは、子供たちの姿を楽しみに・・・。
好発を決めて、内3番手という絶好位から
競馬を進めたのが、勝ったマッドクール。
展開が向いたとはいえ、海外帰り、
プラス18キロの馬体で勝ち切ったのは見事。
まだまだ上積みも望めそう。
頭差まで迫ったナムラクレア、後方から
内を突いて豪脚を見せるも、またしても2着。
スプリント戦の安定度は群を抜き、
展開・馬場不問の末脚は、一級品なのだが。
次、マイルGⅠに出走してくるならば、
人気落ちしたところを狙い撃ち。
最下位に沈んだテイエムスパーダ、この流れ
だったら、思い切って行って欲しかった。
やはり、行ってこその馬、逃げていたら
見せ場ぐらいは、つくれたかも?!
次への期待はウインカーネリアン。
初のスプリント戦だったが、2番手につけて
思い通りのレース、0.7秒差4着と善戦。
馬場悪化にも恵まれたが、これまでずっと
マイル以上の距離を使ってきて、一気の
距離短縮で結果を出した。
今後の選択肢が広がったのは事実、
どこを使って来るか、要注目。
予想通り、外からミトノオーが逃げる展開。
やや速めのラップを刻み、
後続を引き離して、快調に飛ばして行く。
直線に入っても、後続との差は3馬身以上、
そのまま逃げ切り、と思われたが・・・。
中団につけていたヴァルツァーシャルが、
直線、一頭違う脚色で猛追、
ゴール前、キッチリ前を差し切って快勝。
これで重賞初制覇、今回7番人気だったが、
ちょっとこの馬、見落としていた。
前走も中山千八のOPを勝っているが、
昨年のマーチS最下位が嫌われたか?
中山千八はこれで(3.2.0.2)の巧者、
無印にしてはいけない馬だった。
2着ミトノオーは、3着以下には0.5秒差
をつけており、57.5キロで内容十分。
プラス16キロには、成長分も含まれている
はずで、重賞勝ちも射程圏内。
◎キタノヴィジョンは、中団から
馬群を縫ってよく伸び、0.8秒差の4着。
昨年と同斤量で、走破タイムも同じ、
十分健闘と言っていいだろう。
7歳にしてまだまだ元気、重賞に届くか?!
ペイシャエスは、2番手追走から、
前2頭には離されるも、3着を死守。
叩いて確実に良化、次は、もっとやれる。
ラインオブソウルも、好位で良く粘り5着。
プラス14キロと馬体が戻ったのも好材料、
重賞初挑戦で、この内容なら及第点。
OP2戦目で変わり身を見せたし、
次戦、要注目の一頭。
印をつけた馬が、2~5着を占めるという、
こんなことも、ごく稀には起こる。
それでも馬券を外すのは、いつも通り・・・。
横山典騎手のマテンロウレオが、
意表を突く大逃げ。
しかも、1000M通過が60秒ジャスト
という絶妙の逃げ。
そうだ、横典には、これがあるんだ・・・と
感心してしまうしかない騎乗。
最後は、上位3頭に交わされてしまうが、
1番人気のボッケリーニには先着。
0.2秒差の4着は、見事なレース。
制したのは、初の右回りも何のその、
直線、馬群を割って伸びたシュトルーヴェ。
昇級初戦、重賞初挑戦での勝利。
5歳馬ながら、デビューから今回が11戦目、
まだまだ伸びしろ十分の新星。
◎マイネルウィルトスは、またもや
好走するも、0.2秒差の3着止まり。
後方から、じんわりと中団に進出、
3角過ぎ、いいタイミングで仕掛けて・・・。
しかし直線、伸びそうでいて、逆に
両サイドから交わされて・・・。
本当に、届きそうで届かない重賞制覇、
むしろ、GⅠの厳しい流れの方が、
力を十二分に発揮してくれそうな気も・・・。
次に向けては、アドマイヤハレー。
前々走同様、後方から向う正面で一気に
上がっていく競馬で、見せ場十分。
実質、前を捕まえに行ったのはこの馬、
他馬は、それを合図に仕掛けた面も。
4角では先頭争いを演じ、
0.4秒差の6着に粘ったのは大健闘。
丹内騎手との相性も良さそうで、
このコンビで、次走要注目。
好発からハナに立ったメイショウタバル、
1000M通過59.6秒のマイペース。
直線を向くと、後続を引き離す一方。
2番手を進んだ1番人気、ノーブルロジャー
をも突き放し、2着に6馬身差の圧勝。
一頭だけ、強さが際立ったレース。
ややスローな流れだが、馬場状態を考えれば、
そんなに遅いとは言えないだろう。
自らレースを引っ張り、しかも最速の上がり、
まさに、他馬に何もさせない内容。
馬場適性もあったのかもしれないが、それを
差し引いても、思った以上の強さを見せた。
これで、未勝利勝ちから実質3連勝。
重賞勝利を引っ提げて、本番に向かうならば、
穴馬の資格は十分、好勝負可能。
千切られた9頭は・・・、苦しそう。
中山ダート千八のハンデ戦、
前日オッズが、混戦模様をよく表している。
出走14頭中、単勝オッズ10倍以下が6頭。
ここは◎キタノヴィジョンを狙う。
昨年のこのレース、11番人気で3着好走、
後方から追い込んだ脚が光った。
その後、なかなか末脚が決まらずにいたが
前走、今回と同条件で0.4秒差の3着。
勝ち馬より1キロ重い58キロを背負い、
一息入って、プラス8キロの馬体での内容。
今回は57キロ、前走の勝ち馬とは同斤量、
ゴールドハイアーとの差は、ほぼない。
そして今回、明確に行くと思われるのは、
ミトノオーだけ。
落ち着いた流れが考えられ、
これもこの馬にとっては、好都合といえる。
遅咲きの重賞制覇となるか?!
相手筆頭は○ペイシャエス。
3か月の休養明けだった前走は、
今回と同舞台のOP戦、0.5秒差の6着。
60キロを背負って、余裕残しの馬体から、
叩いて58キロの今回は、前進必至。
3番手には▲ミトノオー。
すんなりハナを切れそうな今回、
マイペースの逃げを打てる公算が大。
中山千八ダートは2戦2勝、
ともに逃げ切り勝ちを収めている。
今回は、十分発揮できる条件。
あとは△ラインオブソウル。
3勝クラスを勝ち上がった前々走、
阪神千八ダートを、自ら動いて勝ち切った。
前々でレースを進められる脚質、
ハンデ54キロを活かせば、一発十分。
マーチSのナットク度、95%。